vol.6 ALBUM

photo by syunsuke ikeo , sayaka kouriki

■出演:
-七尾旅人
-原田郁子
-denpun
-松本圭介
■日時:2011年10月8日(土)開演17:00(受付開始15:30)
■場所:白雪山善巧寺
■料金:¥3,000(高校生以下¥1,000、未就学児無料)
■サポーター:
-読経隊(西塔公崇、日下賢裕、雲林重正、麻田弘潤、兼廣はるか、五藤広海、雪山俊隆)
-DJ:賞雅淳也
-VJ:E-range、機材協力:北畠大
-PA:RHYTHMBOXER、太田智紀
-フライヤー:小濱真吾(イラスト:金子祥子)
-撮影:池尾俊輔、 高力さやか、善積真吾
■FOOD&DRINK:
-おやつ堂のあ
-くろべ工房
-セントベリーコーヒー
-ファムズデリ
■主催:お寺座実行委員会

【あとがき】
お寺座LIVE vol.6、おかげさまで今年も大盛況に幕を閉じることができました。ご来場の皆様、心よりありがとうございました。今回は、お申込みの段階から、即日ソールドアウトの滑り出しで、二次募集の立見席50数人分も10分で締め切るという予想以上の反響でした。お断りした方の数もかなり多くて、とても申し訳ない気持ちです。当日は、「お寺座は雨」を覆す快晴で、最高のライブ日和となりました。それでも夕方からは寒くなる時節ですので、用意したひざ掛けとカイロを多くご利用いただきました。出店には、「おやつ堂のあ」「くろべ工房」「セントベリーコーヒー」「ファムズ・デリ」と、リユースカップ提供の「極楽パンチ」。お寺座からは義援グッズ販売コーナーを設けました。義援金は33,750円集まりました。ご協力くださった方々、誠にありがとうございました。送り先が決まり次第、振込み致します。

ライブは、仏さまをお迎えする讃歌「三奉請(さんぶじょう)」というお経からスタートしました。お寺座へようこその意を込めています。続けて、お寺の喚鐘(かんしょう)が鳴り響く中、地元代表でもありトップパッターのdenpunさんがスタンバイ。VJの演出と絡み合って、本堂を異空間へと誘います。
お次は、松本圭介さんの一口説法。お寺に来てもらった限り、やはり仏さまのお話にも触れていただきます。右脳と左脳を行ったり来たりするのも、お寺座の醍醐味のひとつでしょう。説法の後は、お待ちかねの原田郁子さん。本堂に響き渡る原田さんの声は、まさに天上から聴こえてくるようで、至福の時間でした。休憩時間のDJ担当は、鹿児島のお坊さんDJ賞雅淳也。開演前のゆったりした選曲とはうって変わって、軽快なリズムで後半への期待を高めてくれます。
後半は、2回目の一口説法からはじまり、再度お寺でのライブを認識してもらった上で、3年前のvol.3以来2回目の出演、七尾旅人さんがご登場。七尾さんは、すでに会場の雰囲気をご存知でとても安心感がありました。また、今回は、事前に何度も連絡を取り合ってくだり、お寺という場を考慮しつつ、自由奔放な演奏は素晴らしいパフォーマンスでした。
七尾さんの演奏から、そのまま原田郁子さんの再登場。おふたりのコラボレーションは、1+1が10にも20にもなるような相乗効果を生んで、今、日本において最強のコンビと言っても過言ではないのではないでしょうか。
お寺でライブという自体、安らぎと刺激の融合という側面がありますが、このおふたりのコンビネーションは、まさにその結晶のように写りました。当初、コラボレーションは、2,3曲が精一杯かと思っていましたが、ご相談の結果、なんと45分ほど演奏してくださるということでタイムテーブルを何度も組み換えました。実際は1時間以上の演奏となり、お寺座伝説のひとつとして今後も語り継がれていくことでしょう。
ラストは、東日本大震災追悼の意を込めて読経です。お経だけでは、イメージを持ちにくいことを考慮して、冒頭に世界的な仏教者ティク・ナット・ハン師の震災に寄せたメッセージをアナウンスしました。ここに転載しておきます。(一部抜粋)

今回の悲劇で亡くなった多くの方のことを想うと、
ある部分、あるかたちで我々自身も亡くなったのだと痛切に感じます。
人類の一部の苦しみは、全人類の苦しみです。
また、人類と地球はひとつの身体です。
そのひとつの身体の一部に何かが起きれば、全身にも起こります。
このような出来事は、命のはかなさ(無常)を我々に思い起こさせてくれます。
お互い愛し合い、助け合い、人生の一瞬一瞬を大事に生きることが、我々にとって一番大切なんだと。
それが亡くなった人々へのなによりもの供養です。
彼らが我々の中で美しく生き続けれるように生きるのです。

震災は、あまりに大きな出来事で、中途半端にマネゴトをしても、逆に失礼なことではないかと繰り返し自問自答しましたが、やはり、この出来事は、日本のどなたにとっても人ごとではなく、ティク・ナット・ハン師がおっしゃるとおり、我々の身体から何かが欠ける悲痛の出来事でした。その想いを共にしたいと願い、最後の読経は追悼法要というスタイルで終焉することとなりました。七尾さんが先に歌ってくださった「圏内の歌」ともリンクします。多くの方が正座に組み替えられたと聞きました。

こうして、参加者をはじめ、多くの方の応援により、大成功のイベントとなりました。自画自賛ではありますが、ひとつのイベントにここまで密度の濃い力が合わっさったものはそうはないと思っています。年々クオリティも上がり続けて、もうちょっと力を抜いてもいいんじゃないかと思うほどです。中枢スタッフの中には、こどもの頃からお寺に遊びに来ていて善巧寺の中を知り尽くしているメンバーが何人もいます。住職が見つけられないものを、他のスタッフが探し当ててくれることも日常茶飯事で、力強いことこの上ありません。お寺座をご縁に、情熱溢れるメンバーも増えました。お寺座をもの凄く大切に想ってくれてイベント成功のために全力を注いでくれます。彼ら彼女たちとは、月一回の集合日に飲みながら交流を深め、それが次回へのパワーに繋がります。当日は、県外に移り住んでいる者もこの日のために帰省してくれたり、初期スタッフで子育て中のママも駆けつけてくれたり、全国各地からお坊さんや仲間たちが続々と集まってきてくれます。読経隊のみならず、会場の音楽を担当するDJもお坊さん、ステージを彩るVJもお坊さん。彼らのコンセプトは共通していて、仏さまを演出することに力を注ぎます。それは、大きなロウソクで光の演出をしたり、きらびやかな装飾によって仏さまの素晴らしさを伝えようとした先人の智慧と同じく、現代のやり方を模索しています。仏教では磁石の喩えというのがあって、仏という力に吸い寄せられて、そのままではただの鉄が、仏に触れることによって磁力を持ち、その磁力を持った鉄に、また次の鉄が繋がっていく。お寺座は、たくさんの力が繋がり合った結晶です。お寺が「みんなのお寺」であるように、お寺座も、すでにたくさんの人の「お寺座」となりました。富山の片隅の山寺で、小さな小さな火が灯り、それが全国各地に飛び火していく様は、とてもワクワクします。お寺座に参加してくださった皆さん、応援してくださった皆さん。またお寺でお会いしましょう!

※当日はゆっくり見ている余裕がないためライブレポが要約だけになっていることをご了承くださいませ。