親鸞聖人像の約8割以上の造形は、頭に笠をかぶり杖を持った旅姿。このはじまりは、親鸞聖人像を全国的に広める立役者、広瀬精一氏が昭和初期に南無阿弥陀仏の6字に合わせて、全国の寺院へ6体の聖人像を寄贈したことにはじまる。京都の角坊別院を皮切りに、広島(現在はニューヨーク仏教会へ移設)、新潟の五智国分寺、東京の善福寺、三重の桑名別院、そして大阪の四天王寺の聖人像である。
四天王寺は、聖徳太子が創建したお寺でも知られ、法隆寺と並んで日本最古のひとつとされる古い歴史を持った寺院。敷地内にはいくつものお堂があり、西大門付近には四天王寺学園と並んで阿弥陀如来をご安置した見真堂がある。その横に親鸞聖人像がたたずんでいる。
四天王寺の敷地内にはたくさんの銅像がご安置されているが、その中でもひと際大きいのがこの親鸞聖人像。最初の像は残念ながら戦時中に供出されたものの、昭和48年に広瀬氏自身が再び新しく再建されたのが現在の聖人像である。
四天王寺
大阪府大阪市天王寺区四天王寺1-11-18
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