以前からずっと気になっていた聖人像に会いに行ってきた。場所は、石川県金沢市の山間部にある湯桶温泉の手前、湯桶街道沿い。ネット検索で見つけたブログの情報からGoogleマップのストリートビューを何度も行き来して辿りついた場所。
親鸞聖人像はお寺だけにあるのではなく、浄土真宗の信仰を大事にしている人が自分の家の庭や畑の横に建立しているケースがたまに見られる。しかし、それらの情報はあまりネットに出ていないためレア度が高い。中でも、この親鸞聖人像は屋外では珍しい座像のタイプで、建立年代も古いため、なんとしてもお目にかかりたいと思っていた。
カーナビを頼りに金沢東インターを降りて山の方へ向かう。ストリートビューで見ていたので初めてではない感覚で車を走らせた。
おぉ!ここだ!
戸室物産株式会社の看板を目印に古い小屋!ここここ!
おぉぉぉ!!!ついに生でのご対面。
お地蔵さんに並んで、そこに、おられるじゃないか!!!
おぉ・・ぁ・・
とても感慨深い。古びた小屋も山の木々もなんだか雰囲気があってイイ。実物は想像以上に大きく、ほぼ等身大に近いサイズ。
石柱には「宗祖親鸞聖人七百回忌記念像」とある。700回忌は昭和36年なので60年ほど前に建立されている。当時、京都の本願寺ではバス旅行が大流行して、本願寺前の通りはバスで埋め尽くされたという。その50年前の650回忌の時には団体列車が多数仕立てられ、本願寺の近くには臨時の駅まで作られたそうな。650回忌と700回忌はどちらも期間中に100万人以上の参拝があったと伝われる。
間近でじっくりと拝見。屋外の上に相当な年月が経っているので、ところどころだいぶ朽ちてきているが、それでもなお、シュッとした顔立ちに魅せられた。座像は親鸞聖人が83才の時の肖像画(安城の御影)がモデルになっている場合が多いが、それと比較すると顔が小さくて若く見える。漫画家の井上雄彦氏が描いた「親鸞襖絵」を彷彿させるような雰囲気。制作者は何をモデルに、何才ぐらいを想像して作ったのだろうか。
平日の昼間だったので交通量は少なく、時折り車が通っていた。旅をしながら民衆の中に飛び込んで行った親鸞聖人に想いを馳せる。
参考