2017年10月15日、環ROYさんをお招きして「お寺座extra」が開催されました。
ご参加くださった方々、応援してくださった方々、誠にありがとうございました。
デザイン:小濱真吾
開場前
装植:名付けようのない季節(藤木卓+山崎広介)
ツルウメモドキとカスミソウ
蜘蛛の巣のように張り巡らせたワイヤー
オープニングは読経(三奉請)×環ROY
トークセッション
モデレータは林口砂里
フード:風景と食設計室ホーとHOUSEHOLD
ドリンクはお寺座チームが担当
フード
本堂中央の特設ステージ
環ROY
環ROY
ラストは読経(讃仏偈)×環ROY
環ROY
風景と食設計室ホーとHOUSEHOLD
おむすび
昔ばなしと共に
昔ばなしと共に
ことのはクッキー
環ROYさんの歌詞を引用
ことのはクッキー
撮影:窪田さやか、野田恭平
昨年10回目を迎えて、今回は折り返しの年としていろいろと新たな挑戦を試みました。
固定化したフォーマットを崩して行うことはリスクもありましたが、新しい視野を開く会となりました。
試みたことを大別すると、以下5つです。
1、ラップ×読経 コラボレーション
経典の多くは中国で成立したため、そのほとんどは漢文で書かれています。それに節をつけて読むお経は、とても音楽的でありながら、そのままで意味が伝わることはほぼありません。一方で、ヒップホップ文化から生まれたラップは、メロディがそぎ落とされリズムに重点があり、言葉がより重要な意味を持ちます。日本独自のラップを探求している環ROYさんが発する言葉は、押し付けるようなメッセージではなく、とてもイメージの膨らむ内容です。直接的には意味のわからないお経と、意味を散りばめ想像を膨らますラップのコラボレーションを試みました。
過去にも読経と音楽のセッションは試みてきましたが、当日のリハーサルで決定するぐらいラフな感じでした。今回は1組に絞ったこともあり、環ROYさんとは事前に何度もやり取りをさせてもらい、スカイプ打合せや音源のデーターやり取りをしながら進めてきました。採用するお経の意味や要点を伝え、そこからインスピレーションで言葉を発して欲しいという要望です。開催日が近づくにつれ、やはり実際に合わせないと難しいということで、急きょ前日入りしてもらい夜中までお経とラップの合わせをさせてもらったことも貴重な体験でした。賛否はあると思いますが、お客さんにとっては世にも珍しい体験になったのではないでしょうか。おかげさまで嬉しいお言葉をたくさんいただき、中でもブックデザイナーの祖父江慎さんがはるばるお越しくださり、お褒めくださったことは大きな励みになりました。
2、ミュージシャン×僧侶 トークセッション
過去のトーク枠は一口説法で、お寺で行う意義として話していましたが、正直、音楽を聴きにきている人たちへ何を話せばよいのかずっと迷走していて、そもそも求められていない気持ちを拭えませんでした。それを、出演者とお話する中で、音楽と仏教の類似点や、お寺や仏教のことが自然に伝えらればと、トークセッションというスタイルで行いました。また、申込みフォームには「出演者と僧侶への質問」を設け、その質問を元にトークセッションの流れを作りました。予想以上にいろんな質問をいただいたおかげで、お客さんと一緒にイベントを作っている感覚と、「誰かが聞いてくれている」という自信を持って話しやすい場になりました。
当初は、環ROYさんと私のふたりで行う予定でしたが、まとめきれない不安を感じて、林口砂里さんにモデレータをつとめてもらいました。おかげで起承転結をつけてもらい、伝わりやすいスタイルになったのではないかと思っています。ことのほか話が弾み40分ほどの予定が1時間になりました。時間の超過により帰りの予定を変更した方には大変申し訳ありませんでしたが、初めての試みだったため、どうぞお許しいただけると幸いです。
環ROYさんには、ご自分のライブ、読経コラボ、トークセッションと出ずっぱりの多大なご協力をいただきました。一緒にライブを作るという意味では、過去に類を見ないスタイルとなりました。トークセッションでもポロリと言ってしまいましたが、まさに無茶ぶりで、こんな突拍子もない企画にトコトン付き合ってくださって、もう足を向けては寝れません。最高に素晴らしかったです!
3、舞台美術
昨年開催したアート企画「オテラ・ザ・エキシビジョン」でご縁の生まれた華道家の藤木卓さんに相談を持ち掛けました。藤木さんは音楽に造詣が深く、数々の良質なイベントを提供している「nowhere」で何度も装植を手掛けています。過去にお寺座へ遊びに来てくれていることもあり、イメージを膨らませてくれました。庭師の山崎広介さんとのユニット「名付けられない季節」による装植は、本堂中央に設けた特設ステージと花道にバランスよく溶け込み、大掛かりでありながら、お寺座の空間にとてもマッチした演出となりました。
4、出店
通常3~5店舗の出店依頼をしていましたが、今回は集客定員を縮小したため、自前出店のみでまかなう予定でした。その自前出店をどのようにするかを話し合っていたところ、よりよく見せるためにどなたかにコーディネイトをしてもらえないかと考え、ご縁のあった氷見の笹倉さん夫婦へ相談をもちかけました。そこから話が膨らみ、笹倉さん経由で食のアートを手掛けるHoo.の永森さんが参加してくれることになり、予想をはるかに超えるフードが生まれました。物語りと一緒に味わう「おむすび」、笹倉さんの拠点氷見のかぼちゃを活かした「かぼちゃのすり流し」、環ROYさんの歌詞を引用した「ことのはクッキー」。いずれも、ただお腹を満たすだけではなく、想像の膨らむ食べ物を提供してくれました。
5、運営STAFF
お寺座の土台を支えてくれるSTAFFは、幼い時からの長い付き合いのメンバーから、お寺座をご縁に出会ったメンバーまで幅広くいます。20~40代までが中心のため、10年の間にはそれぞれに環境が変わり続けてきました。今回は改めて「やろう!」という意思を確認してから集まったメンバーで進めてきました。2010年以降チケットが早々に売り切れる状況になってからは、県内各所のお店へお願いしているフライヤー設置は、徐々にその数を減らしてきていましたが、今回は少数精鋭で100数十カ所にまわりました。向き不向きがあるとはいえ、広報は会社の営業と同じように、個々のモチベーションが反映されるとても重要でイベントを左右するほどのものだと思っています。顔合わせは今年の頭から始まり、春先にはかなり迷走しました。変更点や新しい試みが多かったことも順応するのに苦労をかけたと思います。よく最後まで一緒にやってくれました。またゆっくり飲みましょう。
他にも、長年フライヤーデザインを手掛けてくれている小濱さんがコンセプトに合ったデザインをビシッと決めてくれたこと、読経隊の五藤くんが当日はやくに来てくれて大事なリズムキープを支えてくれたこと、安定のPAやすさんが読経コラボの難しい音バランスを整えてくれたこと、初めて撮影に参加してくれた窪田さんと野田さんが走り回って大事なポイントをおさえてくれたこと、前日から当日まで読経の打合せや出演で頼りにならない私の代わりにその穴を全部埋めてくれたSTAFFたち、飲食のお試しを何度もやってくれて誰よりも試行錯誤してくれたよーちん、イベントが近づくにつれてテンションが上がっていく子供たちと嫌な顔ひとつ見せずついてきてくれた妻。そのすべてによって、「お寺座extra」が完成しました。イベントごとは常に一期一会で同じことは再現出来ませんが、今回は特にその要素が強い会になったと思います。まさにLIVEでした。出来栄えはお客さんのみぞ知るところですが、その雰囲気を写真から受け取っていただけると幸いです。
善巧寺住職 雪山俊隆
お寺座extra
■日時:2017年10月15日(日)open 14:30 start15:00-18:00
■場所:白雪山善巧寺
■料金:¥3,000(高校生以下1,000、未就学児無料)/当日¥3,500
■出演:環ROY、読経隊(雪山俊隆、五藤広海、西塔公崇、雲林重正、日下賢裕)、林口砂里(epiphany works)
■サポーター:
-フライヤーデザイン:小濱真吾
-舞台美術:名付けようのない季節(藤木卓、山崎広介)
-出店:風景と食設計室ホーとHOUSEHOLD、お寺座実行委員会
-PA:sound ETHNOS
-撮影:窪田さやか、野田恭平
■協力:
駐車場:浦山交流センター、うらやま保育園、中博信さん
広報協力:ナタリー、富山経済新聞、彼岸寺、TJとやま、富山情報、ROOMIE、Tact、黒部宇奈月温泉観光局、ニコニコタウン、nowhere、letter、カクバリズム、黒部市美術館、じょうはな織館、フライヤーを設置してくださったお店の方々
ご近所の皆様
■企画・運営・主催:お寺座実行委員会