
うわさ、という字、尊い口 なんて書くけど、どうしてなんでしょうねえ。わたしたちの口から、尊いものなんて、出てくるわけがないと思うんだけど・・・。
そりゃあ、最初はいいんです。
「ほら、奥さん、あの方ご存知でしょ」「ええ、いい方よねえ」「そう、とってもいい方ですねえ」とくる。で、ここで終わればいいけど、実はここからがはじまり。
「けどさあ、なかなか、あれで、いろいろあるそうなのよォ」
「でしょ。わたしも聞いたのよ、それ」
なんてことになると、止まるところを知らず、ドドドドーッと、悪いおうわさの数々。いやですねえ、なんていいながら、結局は、すきなんですねえ、他人の悪口をヒソヒソやるのが・・・。そういえば、シャバ=娑婆の元の意は、他人の足を引っぱる所、なんですってね。