嫉(しつ)

ねたみ心でありまして、わが身の名利を求めるが故に、他人の繁盛しているのを見たり聞いたりすると、くやしくてならないというあれです。

だいたい、わたしたちは、他人の幸福をすなおによろこぶこころがありません。

隣がりっぱな家を建てた。
「まあ、よかったわねーーー!」

なんて、口ではいうけど、ハラの中は煮えくり返っていて、なんとか慢心でもって、相手を引きずり下ろして、安心したいと願います。ところが、どうあがいても勝ち目はない、となると、こんどは、この嫉です。ねたみです。

「そりゃ、いいわよ、あちらさんは、地位もあるし、財産もあるし・・・それにしても、ああ、グヤジー」となる。困ったもんです。

あそうそう。なぜねたむかというと、自分も、その気があるからなんですよ、その気がなかったら、ちっともクヤシくないもんね。