
「差別の根源は、衆生の驕慢心にあり」とおっしゃったのが、おしゃかさま。わたしたちの思い上がりの心が、世の中に多くの差別を生んでいるというわけです。
国民の意識調査なんかを見ますと、近頃はほとんどの人が、中流気分だそうですが、じつはこれ、アンケートに答えた適当なタテマエなんじゃないですか?ホンネはやっぱりなんてったって、自分が一番よい子だと思っているはずです。
とにかくわたしたちは、それくらい思い上がっていなくては、安心して生きてはいられないんじゃないですか。もちろん、そんなこと、他人に言えたもんじゃないですが、心の奥底をさぐってみれば、それこそ、内心ひそかに、後生大事に、こんな煩悩をかかえ込んでいるわけです。
ところがね、この驕慢心というヤツは、他人を傷つけたあげくに、なんと自分まで苦しめてしまうというおそろしい煩悩なんですよ。