愛着(あいじゃく)

「長く使っていると、愛着がわいてくるもんだわね~」

なんてよくいいます。物をいとおしむ心なんだからいいじゃないか、何事も愛着を持たねば・・・とおっしゃるかもしれませんが、仏法ではこれを、むさぼりの心でもって、ものにとらわれる、いやらしい心だというんです。同じ意味で「渇愛」という言葉がありますが、ノドが乾いて水を求めるごとく、貪ってとどまるところを知らないのがわたしたちだといわれます。

ハラがへったら、食いたい食いたいという愛着がわいてきます。で、ガツガツと食べる。終わったら「ああ、うまかった、もう死んでもいい」なんていったりするけど、あれで死ぬ人はいませんね。またハラがへって、もうちょっと、もうちょっと・・・物でも、人でも、なんでもかんでも、気に入ったら、トコトン、もうちょっともうちょっと・・・いまの日本、これで世界中からきらわれているみたいです。