ごねんきさま

富山では「ごねんきさま」という盛大な法事があります。本堂にあるお寺の仏具を自宅へ総動員(喚鐘や礼盤など)して、親戚一同をはじめご近所の人々も参拝し、そのために家を修復する方もおられるほどの一世一代の法事です。20年ほど前に大きな「ごねんきさま」を体験した時には、村中の人が集まり、若い衆が女装をして玄関先で餅をつくという光景を目にしました。いち家庭の法事が、村祭りのごとく行われていることに度肝を抜かれました。

近年、その伝統的行事はほとんどなくなりつつありますが、なんとかしてその伝統を受け継ぎたく、善巧寺ではご希望の方にお寺でつとめる盛大な法事を提案しています。

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最近50回忌の法事が2軒つとまりました。
1軒は自宅で、もう1軒はお寺の本堂で行われました。本堂においては、「ごねんきさま」を踏襲したスタイルで内陣を練り歩く行道(ぎょうどう)を取り入れ、仏前でケハをまいてもらい、参拝者全員に参加してもらいました。法事の終わりに当主が挨拶で言葉を詰まらせている姿を見て、こちらも心が熱くなりました。

言うまでもなく、盛大だから良いというものではありませんが、その心意気は大切にしていきたいです。