しんらんさま

昨年は親鸞聖人のご誕生八五〇年という節目の年でした。せっかくのご縁、何か出来ないかと手掛けたのが親鸞聖人像マップづくりです。一般的に銅像と言えばまず名前があがるのが二宮尊徳さんで、銅像をまとめているホームページでもそのように扱われており、親鸞聖人の名前はありませんでした。主にお寺の境内にご安置されているため、多くの人にとってはあまり目にしない像のようですが、全国には二万ヶ寺以上の浄土真宗寺院があり、また関連する学校や保育園も多くあるため、きっと親鸞聖人像が二宮尊徳像以上にあるはずだと、収集を始めたのでした。

結果、現在までに約二九〇〇体見つかり、日本一多い人物像と言っても問題のない数になりました。銅像が多く作られるようになったのは、高度経済成長の時代です。現在は所有者も代替わりしているため、その思い入れは忘れられていますが、ほとんどの像は寄贈によるものなので、そこには様々な願いが込められているはずです。善巧寺の親鸞聖人像も、長らく草木に覆われて普段お参りされる方の目にもあまり留まらない環境になっていましたが、節目の年をご縁に改めて見直すようになりました。

銅像は安くありません。安価なものでも二~三白万、大型の像は五百万を超えるものもあります。高価だからいいというわけではありませんが、その背景には「私のお寺」という意識がとても高かったことが伺えます。改めて先人の願いに向き合うご縁にしたいです。


雪山俊隆(寺報185号より)
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