昨年から花まつりの折に子供の成長を祝う「七五三」を始めました。お寺で七五三?と疑問を持たれる方もおられるので、その根拠となる天岸浄圓先生の文章を紹介します。
「七五三」については、昔、公家や武家では、いろいろな儀式が行われていたことが紹介されていますが、子どもの成長を全体的に考えますと、昔は数え年で三歳くらいで「おしめ」がとれたようです。そして数え五歳くらいになると、着物の仕立て方が変わるのです。これは、最近ではご存知ない方も多いでしょうが、着物を仕立てるときには、反物をどのように裁つかによって、三ッ身、四ッ身、本身などとわけるのです。(中略)ではなぜ、このような行事、風習が伝わったのでしょうか。昔は現在と違い、子どもの死亡率が大変高かったことと関わりがあるでしょう。だから、子どもの成長に合わせて、三ッ身の着物、四ッ身の着物というように、着物の仕立ての変わり目に、よくここまで大きく育ったと、内々でお祝いをしていたのです。そのお祝いごとを、明治の中頃くらいから、神社でするようになったようです。たぶん、呉服屋さんも子どもの晴着を売るために、積極的に協力されたのでしょう。それが今日の神社の「七五三」のはじまりです。だから、もともとは神社と深い関係があったわけではありませんし、古い伝統があるわけでもありません。お寺で祝ってはいけない理由はないのです。(中略)お祝いごとでお寺にこられるかたが少ない現状ですから、ぜひお勧めします。
(「浄土真宗の生き方」より抜粋)