ほんこさま

親鸞聖人のご法事「ほんこさま」のお参りが9月からスタートしました。かれこれ20年以上お参りさせていただいていますが、毎年新たな発見があります。

先日お参りしたお宅では、年季の入った太い柱や梁が特徴的で、聞くと明治5年に建てられたそうです。善巧寺の現在の本堂は明治14年に建立しているので、それより10年近く古いことに驚きました。150年という歴史は、一代を25年に換算すると6代にわたります。何度も修復を重ねながら、どれほど大切にしてこられたことでしょうか。「家」を代々守るという価値観が薄れた昨今、その貴重さが際立って見えました。

お寺で行う報恩講は、10月18日から20日まで3日間つとめます。今年は、出来るだけ密集を避けるために、地域分散型で行います。例年と違い戸惑われる方もおられると思いますが、どうぞご自分の地域の指定日を目安にお参りくださるようお願い申し上げます。また、境内にたたずむ親鸞聖人像にお花をお供えするコーナーを設けますので、庭のお花や野花など、お参りの際に一輪お持ちいただけないでしょうか。一輪が百人分集まれば、とてもキレイなお供えになります。外出を控えておられる方も、ぜひお花のお供えにご参加してくださるとありがたいです。親鸞聖人は759回忌を迎えます。長い歴史の中でさまざまな変遷を経て今に至る聖人のご法事。どうぞ手を合わすご縁を大事にお過ごし下さい。

雪山俊隆