ふだん何気なく使っている言葉の中に、仏教をルーツとした言葉はたくさんあります。たとえば、病院とか看護とかもそうですし、馬鹿とか、どっこいしょ、なんていうのもそうですね。
今回紹介するのは、坊主。
ボウズ頭、三日坊主。「こら、ボウズ」なんてのもありますが、もともと僧侶というのは、集団で修行し、生活していました。その中で、僧侶たちが生活するスペースがあって、それを「房(舎)」と言います。その房の主を、坊主と言ったんですね。
関西のほうでは、大工道具の直角に曲がった定規、曲尺のことを通称ボウズと呼ぶ地方があるそうです。あるとき、大工さんが家を建てている時に、曲尺を忘れたのに気付いて、下にいる大工なまかに「おい!ボウズとってくれ」その時、ちょうど、お坊さんが道を歩いていて、自分のことを呼ばれたのかと思って振り向いたそうです。これがぼくのおじさんに当たる人だったわけですが、これは、うまい表現だと感心していました。ボウズも曲尺のように根性が曲がっていると。そう言われないように、気を付けたいものですね。
ラジオ番組「ゆるりな時間」より