ほっこり

かなり寒くなってまいりました。こんな時はホッコリした音楽が聴きたいですね。前回の放送でも、この、ほっこりという言葉を何気なく使ったんですけど、ほっこりってなにけ?と聞かれまして、ほっこりはほっこりやねか、みたいな感じで、長島しげお風な、受け答えをしたんですけど、改めて辞書を調べてみました。ふだんは、ニュアンスだけで言葉にしていることが多いので、辞書を読むとなるほどって思いますね。

ほっこりとは、
1、ほかほかと暖かいさま。
2,色つやがよく鮮やかなさま。また、ほっとしたさま。
ということだそうです。

イメージしていた意味とほぼ一緒ですが、ホッコリした音楽っていうのは、人それぞれ受け取り方が違いますね。ちなみに、まったりというのは、
「まろやかでこくのある味わいが、口中にゆったりと広がっていくさま。ゆっくりしたさま。のんびりしたさま。くつろいださま。だらだらしたさま」
です。それと、この番組でも使っている、「ゆるり」は、くつろいでいるさま。らくに。いそがず、ゆっくりしたさま。を言います。

ほっこりとか、まったりとか、ゆったりとか、ゆるりとか、こういう言葉は、何年か前に「癒し」という言葉がよく使われましたが、それらとなにか共通するようにも思います。いつからかわかりませんが、なにかしてなきゃ落ち着かない、そんな強迫観念じみた世の中になっているように感じています。これは自分自身のことでもあって、お坊さんをしていますと、心静かに手を合わせて仏さまになんて言っているわけですが、言っている本人が、心静かじゃなかったりするわけです。たいしたことは考えてないんですけどねぇ、グルグル頭を巡らせて、ちっとも落ち着いた時間を持っていない自分がいます。いざ、余裕が出来た時も、せっかくだからと、これしようあれしようと、余計に忙しくしていたりします。

忙しいという字は、りっしんべんに、亡くすという字を書きます。りっしんべんというのは、心のことなので、心を亡くすってことです。まさにそのとおりな日常を繰り返しているように思うので、ほんの少しでも、足を止めて、自分自身に向かい合う時間。大切だなぁと思っています。

ラジオ番組「ゆるりな時間」より