つながり

娘が十ヵ月になりました。赤ちゃんの成長ぶりには日々驚かされる毎日で、最近は笑顔が増え、手を振ることも覚えました。月々のお講では、いろんな方に抱いてもらい、最近はすっかり皆さんに慣れてきたようです。人と人の繋がりにおいて、会う回数というのは、とても大きなものだと改めて思います。

お寺とご門徒さんの関係においても、やはり会う回数は重要で、どうしたらお寺に来てもらえるかということを常日頃から考えています。法座に重点を置くのが本道だと承知していますが、うちでは今のところ、敷居を下げて入口を増やす方針を続行しています。お講の午後に映画上映、門徒親睦パークゴルフ大会もそのひとつです。

お寺に入って間もない頃、「おでかけ住職」と題し、住職がご門徒さんの家へ出張し、法事以外でもおつとめや法話を聴いてみませんかという案内を出したことがあります。数百の方に案内を出せば、せめて数軒、いやもしかしたら十軒ほどあったりして、と甘く考えていましたが、結果はゼロでした。悲しさを通り越し、絶望感と無力感にお寺の引退もよぎりましたが、今考えてみると、人間関係がまだ出来ていない上、誰にも相談せずに行った愚かさを自戒した次第です。

あれから10年ほどが経ちました。今、来年を目標に、各地区でのお経会を考え、幾人かと相談させてもらっています。多く集まることが難しい次代、おひとりでも喜んでいきます。どうぞご縁が結ばれますように。

雪山俊隆(寺報132号)