善巧寺の門徒会館は、平成二年の建立から今年で三十五年になります。。近年は老朽化が目立つようになり、外壁や屋上の防水工事を終えたところです。
平成二年の寺報には、祖父俊之が次のように記しています。
今度の会館には、まず、善巧寺サロンがあります。誰でも何時でも気軽に入って話し合える場所です。老人は目の前に迫る死について、壮年層は世界の環境破壊の現状について、婦人層は世代間の断絶や家庭崩壊の恐れについて、話し合うのも結構でしょう。次に善巧寺ライブラリー、図書館です。本は読まれるためにあるもの。経蔵の奥に眠っていた仏書を、皆様の手の届くところへ持ってきます。最後に善巧寺ホール。ここは十分なスペースをとって、お寺座、雪ん子劇団、門徒全体を収容できる食堂など、多目的なホールの役割を果たします。
この「食堂」は、法事後のお斎の場として想定されていましたが、二階に料理を運ぶ手間や、お寺での会食自体が減少したこともあり、活用には至りませんでした。
こうした経緯をふまえ、今年四月よりスタートした「カフェ愚禿」では、「善巧寺サロン」と「ライブラリー」の構想を受け継ぎ整えました。お寺は人々が集いお茶を飲み語り合う場―つまり、喫茶やカフェのような要素が古来よりあります。その在り方を現代のかたちで再定義し、どなたでも立ち寄れる場所として開いたのが、今回の週末カフェです。どうぞお気軽にお立ち寄りください。
雪山俊隆(寺報194号より)