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50年の下り坂、参拝者が全盛期の10分の1-善巧寺の現状-

10月19日と20日、善巧寺では毎年「報恩講(ほうおんこう)」という法要を営んでいます。報恩講とは「ご恩に報いる集まり」という意味で、親鸞聖人のご法要です。浄土真宗では特に大切にされている行事のため、本堂は特別な仕立てとなり、同宗派の近寺とは参り合い風習が続いています。

かつてこの報恩講には、大勢の方が集まりました。昭和48年には380名という記録が残っており、境内に露店も並んだそうです。その後は徐々に減少し、平成12年には200名を下回り、平成24年には100名を切りました。そして今年の参拝者は2日間で33名――全盛期の10分の1です。親身にしてくださる方にはとても痛々しい数字ですが、地域の変化とともに、人と人とのつながりの形そのものの変化を映しています。

<善巧寺・報恩講の参拝者推移>

(1980~1995年の記録はなし)

減少の理由はひとつではありません。高齢化や過疎化の影響もありますが、それ以上の速さで減少が進みました。数十年の間、役員以外の新しい参拝者はごくわずか。最も大きな要因は、「次の代へと縁がつながっていないこと」です。

印象に残っているのは、手伝いに来てくださった70代の女性の言葉です。

「これっちゃ私ら死ぬまでやらんなんけ?」

“私の後を引き継ぐ人はいない”という思いが、その言葉には込められていました。昭和初期生まれの方までは「子や孫のため」というモチベーションがありましたが、現代は核家族化がスタンダードになり、1代1代の完結型。次代のためという感覚は薄れ、どうしても馬力が落ちます。その結果、70代以上の人たちも、継続的にお参りする人は少数派になりました。言い換えると、この50年は地域コミュニティと代々続く家に支えられてきた歴史です。

参拝者が減り続ける中で、できる限りのことはしてきました。お誘いに力を入れて案内を工夫したり、一時は電話で案内したり、参拝バスを運行したこともありました。

また、報恩講を“みんなで作る行事”にしようと試みました。マジックや踊り、昨年は琴の演奏など、門徒さんの特技披露をお願いしたり、バザーを開いたり、多様な形で関わってもらえるよう工夫を重ねました。さらに、役員さんたちによる献灯献花やクイズ大会、参拝者がお花をお供えできるコーナーなど、参加型に力を入れてきましたが、婦人会の解散や、役員の2年交代制の地域が増えたことによって、持続的なつながりが持ちにくくなり、継続出来ませんでした。

コロナウィルスが蔓延した時は、なぜか一時的に参拝者が増えるということもありましたが、長いスパンでは誤差です。この時期に食事が出来なくなり、復帰出来ないままに今に至ります。

これらのことを赤裸々に共有することは、とても辛く恥ずかしいことではあり、自分の至らなさを痛感しつつも、現実から目を背けるわけにもいかず、次に進むためにここに記します。

それでもなお、この行事をやめることはありません。浄土真宗のお寺である限り、報恩講をつとめ続けます。数が減っても、声が小さくなっても、報恩講は、親鸞聖人への感謝をご縁に、いのちをつないでくださった方々への「ありがとう」をあらわす日だからです。少数は少数なりに実りある法要にできるようにつとめ、これからもこの報恩講を続けていきます。

折坂悠太ライブ、満員御礼

10月11日(土)、ミュージシャン・折坂悠太さんのライブが善巧寺にて開催されました。
境内には5店舗(hope low carb bakery / TAKACOYUKIYASAI / ROSETTA O MICHETTA / あまや菓子店 / カフェ愚禿)の出店とアーティスト物販コーナーが並び、16:00よりオープン。小雨の中のスタートでしたが、途中から雨もやみ、穏やかな秋の空気に包まれました。

遠方各地から約200名の方にお越しいただき、ライブはもちろん、境内や会館での飲食、そして天井画の観覧など、お寺の空間そのものも楽しんでいただきました。

臨時駐車場としてお借りした浦山交流センターや善巧寺前では、一時的に混雑もあり、近隣の皆さまにはご心配をおかけしましたが、おかげさまで大きなトラブルもなく、多くの方に喜んでいただけるご縁となりました。ご協力に心より感謝いたします。

今回のライブは、これまでの自主企画「お寺座ライブ」とは異なり、ライブ運営会社(カウアンドマウス)からお声がけをいただき実現したものです。以前より交流があったことに加え、折坂悠太さんへは過去にこちらからもライブを依頼した経緯があり、さまざまなご縁が重なっての開催となりました。

当日は記録写真を撮影できなかったため、来場者の皆さんによるSNS投稿を一部ご紹介します。ぜひ当日の様子をご覧ください。

ご参加のみなさん、折坂悠太さん、カウアンドマウスさん、撮影チームのみなさん、出店のみなさん、お寺座ライブスタッフのみんな、そしてご近隣のみなさん、ありがとうございました。

来場者の声①(インスタグラム)

来場者の声➁(エックス)

来場者の声③(スレッズ、ノート)

PHOTO

会場BGMプレイリスト

ライブのMCで「会場でかかっている曲がどれも好きなもので、趣味が似ている方がいらっしゃるのか、またはリサーチをよくしてくださったのか、その両方か」と話してくださいました。選曲はスタッフの太田くん(@tomonori_ot)。折坂さんの音源を真っ先に紹介してくれたのも彼です。どうぞ会場の雰囲気を感じてください。

ライブセットリスト

一部抜けている曲があります。カバー曲は原曲を入れました。

折坂悠太 独奏遊行 らいど 2025 富山公演
日程:2025年10月11日(土)
会場:白雪山善巧寺
出演:折坂悠太
出店:hope low carb bakery / TAKACOYUKIYASAI / ROSETTA O MICHETTA / あまや菓子店 / cafe愚禿
協賛:善巧寺
協力:お寺座ライブスタッフ
駐車協力:浦山交流センター、浦山保育園、宇奈月小学校、中家
主催:カウアンドマウス

折坂悠太ライブにお越しの方へ

10月11日(土)に、シンガーソングライター・折坂悠太さんのライブが善巧寺で開催されます。チケットをお求めの方はどうぞお気をつけてお越しください。なお、本公演のチケットは完売しております。当日券はございませんのでご了承ください。

交通・駐車場

  • 駐車台数に限りがあります。可能な方は公共交通機関のご利用・乗り合わせにご協力ください。
  • 臨時駐車場(15:30~)
    浦山交流センター駐車場(黒部市宇奈月町浦山1012)
    ※浦山交流センターが埋まった後は、「うらやま保育園 駐車場(浦山駅裏)」へ誘導予定です。

16:00 出店オープン

16:00から出店エリアがオープンします。どうぞごゆっくりお楽しみください。

出店内容

隣接する会館は50席以上のイスと机があります。飲食にご利用ください。お寺の庭(境内)もOK、本堂内は飲食禁止です。

17:00 受付開始、本堂開場

本堂へはチケットに記載の整理番号順にお入りいただきます。座席を確保された方は、出入り自由ですので、開演まで出店等ご自由にお楽しみください。本堂内は飲食不可です。

18:00 開演

ライブは2時間の予定です。本堂は座布団席(約150席)とイス席(約50席)があります。

ライブ終了後は、物販、出店販売がしばらく行われます。

公共交通機関(お帰り参考用)

富山地方鉄道「浦山」駅
<富山方面>20:51
<宇奈月方面>21:03

北陸新幹線「黒部宇奈月温泉」駅
<東京方面>20:57(富山地方鉄道の乗継ぎでは間に合いません)
<金沢方面>20:41、21:40

あいの風「黒部」駅
<富山方面>20:44、20:56、21:19
<糸魚川方面>21:51

タクシー
くろべ交通 0765-52-0507
桜井交通  0120-111-280
宇奈月交通 0765-65-0117

折坂悠太 独奏遊行 らいど 2025 富山/黒部公演
日時:10月11日(土)
場所:白雪山善巧寺(富山県黒部市宇奈月町浦山497)
出演:折坂悠太
出店:hope low carb bakery / TAKACOYUKIYASAI / ROSETTA O MICHETTA /cafe愚禿
主催:Cow and Mouse
共催:善巧寺
【お問い合わせ】
Cow and Mouse:080-3136-2673

釈迦十大弟子と銅版画展

2025年7月17日~9月20日に「カフェ愚禿」にて作家・玉分昭光さんの作品展「釈迦十大弟子と銅版画展」を開催するにあたり、ここに補足資料を記します。

釈迦十大弟子

釈迦十大弟子(しゃかじゅうだいでし)」とは、お釈迦様のもとで仏道を学んだ多くの弟子の中から、特に優れた資質や功績をもつ10人を指す言葉です。それぞれが異なる才能や特徴を持ち、お釈迦様の教えを広めるうえで重要な役割を果たしました。十大弟子は、後世の仏教教団がその教えを体系化する中で、「○○第一(だいいち)」という称号をもって象徴的にまとめられたものです。

相関図

摩訶迦葉(まかかしょう)

お釈迦様亡き後の教団リーダー
弟子になって8日目に悟り、お釈迦様と袈裟(けさ)を交換したという。お釈迦様亡き後は、教団のリーダーとなり経典の制作にあたる。衣食住にとらわれずひたすらに修行したことから「頭陀(ずだ)第一」と呼ばれた。袈裟を何度も貼り継ぎし、生涯大切にしたという。

目連(もくれん)

お盆の起源となる物語の主人公
お盆の起源となるお経「盂蘭盆経(うらぼんきょう)」の主人公として知られる。超人的な能力を持っていたことから「神通(じんずう)第一」と呼ばれ、お釈迦様のボディーガード的な役割を果たしていた。そのため、お釈迦様のグループに恨みを持った人たちに殺害されてしまう。

優波離(うぱり)

理容師から僧侶へ。戒律を極めたストイックマン
出家前は貴族に仕える理容師。アナンやアナリツを含む6名の貴族が、お釈迦様の弟子に入る時、荷物持ちとして同行し出家を決意した。お釈迦様から先に弟子になる儀式をすすめられ、後に他6人の先輩として尊敬された。身分制度の厳しい当時のインドでは画期的な出来事であった。修行者の生活規律「戒律」に精通しよく守ったため、「持律(じりつ)第一」と呼ばれる。

阿那律(あなりつ)

視力を失い、真理を“見る”力を得る
アナン(お釈迦様の秘書的役割)と同じくお釈迦様の従兄弟にあたり、アナンとともに出家した。説法中に居眠りをしたことを深く反省し不眠を誓う。お釈迦様にも眠ることをすすめられるが、かたくなに断りついには視力を失う。しかし、それによって真理を見る力を得て「天眼(てんげん)第一」と呼ばれる。

伽旋延(かせんねん)

釈迦も一目置いた、ディベートの達人
子どもの頃から記憶力と理解力が高く、一度聞いたことは忘れず良く理解していたが、どうしても理解できないことをお釈迦様に聞き弟子入りした。その聡明さから「論議第一」と呼ばれる。生まれ育った自国に釈迦の布教を懇願した時、自ら帰国することを勧められ帰郷する。地方での伝道強化に大きな功績をはたした。

<上記5軸は前期(7/17~8/15)、下記5軸は後期(8/21~9/20)に展示>

阿難(あなん)

誰よりも釈迦の説法を聞いた優秀な秘書
お釈迦様の従兄弟で、秘書的役割を担い20年あまりお仕えすることで説法を特にたくさん聞いたことから「多聞(たもん)第一」と呼ばれる。お釈迦様が亡くなられる時、ひとり隠れて号泣し、長く立ち直れずにいた。誰よりもお釈迦さまの近くにいながらなかなか悟れず、釈迦滅後の経典編集会議(結集)前夜に悟る。

舎利弗(しゃりほつ)

ずば抜けた頭脳をもつ釈迦の理解者
お釈迦様に出会う前、十大弟子のモクレンと共に別のグループに属していたが、お釈迦様に感銘を受けてグループ全員を引き連れて弟子入りする。釈迦の後継者とも言われるほどずば抜けた才能を持ち「智慧(ちえ)第一」と呼ばれる。多数の経典で釈迦の聞き手として名前が登場する。

富楼那(ふるな)

元船乗りのバイリンガルは説法名人
お釈迦様の最初の弟子のひとり。弟子入りの前には船乗りの大商人として世界各国を回っていた。話し上手で60言語を習得していたといわれ「説法第一」と呼ばれた。すらすらよどみなくしゃべることを喩えて「富楼那の弁」という諺にもなる

羅睺羅(らごら)

釈迦の実子ゆえの苦悩を超える
名前は、お釈迦様の修行のさまたげになるということから障害という意味をもつ。生まれた時にはすでに父は出家していなかった。実子であるが故にまわりから特別な目で見られるため、自ら厳しい生活規則を守った。「密行(みつぎょう)第一」と呼ばれる。

須菩提(しゅぼだい)

元ヤンが無争と空を極める
元々は短気な性格であったが、出家後は争う心を持たない温和な性格に生まれ変わり、存在を消していたことから「無争(むそう)第一」と呼ばれる。また、物事にとらわれない「空」の思想をよく理解していたため「解空(げくう)第一」とも呼ばれる。

銅版画作品

玉分昭光さんが2020~2025年に制作された作品を20点展示します。作品販売をいたしますので、売れた作品はその場でお渡しし、新しい作品と入れ替わっていきます。

玉分 昭光(たまわけ あきみつ)

版画家。1975年岐阜県生まれ、富山県入善町在住。2000年富山大学大学院美術教育専修を修了後タイ、ブラジル、日本などで教壇に立ちながら制作発表をしてきた。2012年下山芸術の森発電所美術館、2015年第6回山本鼎版画大賞展優秀賞、2017年金沢湯涌創作の森にて個展開催、2018年黒部市美術館、そして、「第18回台湾国際版画ビエンナーレ展」優秀賞受賞を機に世界各地から展覧会依頼があるなど国内外で活躍している。
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釈迦十大弟子と銅版画展
◼ 会期:
(前期)7月17日(木)~8月15日(金)
(後期)8月21日(木)~9月20日(土)
◼ 日時:カフェ愚禿オープン中(13:00~17:00)
※通常は木・金・土曜オープン。8月は不定期の為、月間予定をご確認ください。
◼ 会場:カフェ愚禿-gutoku-(富山県黒部市宇奈月町浦山497)
◼ 出展:玉分昭光(銅版画家)
◼ 入場無料:カフェをご利用でなくてもご覧いただけます

◼ 展示内容
2019年に開催された展覧会「オテラ・ザ・エキシビジョン」で発表された、玉分昭光さんによる「釈迦十大弟子」を前期・後期に分けて5点ずつ展示します。あわせてカフェスペースでは、銅版画作品20点の展示販売も行います。作品は随時入れ替わりますので、ぜひ何度でも足をお運びください。

◼ 掛軸展示スケジュール
▸ 前期(7月17日~8月15日)
摩訶迦葉、目連、優波離、阿那律、伽旋延
▸ 後期展示(8月21日~9月20日)
阿難、舎利弗、富楼那、羅喉羅、須菩提

寺報・カフェ愚禿

善巧寺の門徒会館は、平成二年の建立から今年で三十五年になります。。近年は老朽化が目立つようになり、外壁や屋上の防水工事を終えたところです。

平成二年の寺報には、祖父俊之が次のように記しています。

今度の会館には、まず、善巧寺サロンがあります。誰でも何時でも気軽に入って話し合える場所です。老人は目の前に迫る死について、壮年層は世界の環境破壊の現状について、婦人層は世代間の断絶や家庭崩壊の恐れについて、話し合うのも結構でしょう。次に善巧寺ライブラリー、図書館です。本は読まれるためにあるもの。経蔵の奥に眠っていた仏書を、皆様の手の届くところへ持ってきます。最後に善巧寺ホール。ここは十分なスペースをとって、お寺座、雪ん子劇団、門徒全体を収容できる食堂など、多目的なホールの役割を果たします。

この「食堂」は、法事後のお斎の場として想定されていましたが、二階に料理を運ぶ手間や、お寺での会食自体が減少したこともあり、活用には至りませんでした。

こうした経緯をふまえ、今年四月よりスタートした「カフェ愚禿」では、「善巧寺サロン」と「ライブラリー」の構想を受け継ぎ整えました。お寺は人々が集いお茶を飲み語り合う場―つまり、喫茶やカフェのような要素が古来よりあります。その在り方を現代のかたちで再定義し、どなたでも立ち寄れる場所として開いたのが、今回の週末カフェです。どうぞお気軽にお立ち寄りください。

雪山俊隆(寺報194号より)

> 住職コラム
> 寺報PDF

親鸞聖人像を追いかけていたら、像が生まれて、カフェになりました。

2022 親鸞聖人像マップ

2022年11月より、全国に設置された屋外の親鸞聖人像を記録・共有する「親鸞聖人像マップ」の制作を始めました。Googleマップ上での情報収集を中心に、各地の像の姿や背景を調べるなかで、浄土真宗が地域に根づくさまざまなかたちと出会うこととなりました。

中でも、山口県荘厳寺では、彫刻家でもある前住職が自ら親鸞聖人像を手掛けておられ、その経緯や背景を直接うかがうことができました。その際、1体の像を善巧寺へ寄贈してくださるというありがたいお申し出をいただき、マップ制作にも積極的に関わってくれていた息子とふたりで、山口県まで車で往復1790㎞を走ったことが心に残っています。

2023 各種メディアに掲載

この取り組みは、2023年9月には登録像数2,000体を超え、2024年9月には3,000体に達しました。その過程で、「北日本新聞」をはじめ、フリーペーパー『浄土真宗 唯』、仏教誌『茉莉花』、『築地本願寺新報』、『月刊住職』、『中外日報』などに紹介されました。

2024 フォトコンテスト

その後も、親鸞聖人像をめぐる新たな取り組みが続いています。2024年9月には卓上カレンダーを制作。さらに、同年11月から2025年1月にかけて開催したフォトコンテストでは、高岡銅器の企業や仏具店のご協賛をいただき、豪華な審査員方を迎え、初の試みながら579点もの写真が全国から寄せられました。それぞれの像を見つめる新鮮なまなざしに多くの気づきをもらう機会となりました。

2024 展覧会「愚禿」

2023年と2024年は、親鸞聖人のご生誕850年、そして浄土真宗の開宗800年という節目の年――メモリアルイヤーでもありました。

そのような時期にあたる2024年春、善巧寺で開催した展覧会「オテラ・ザ・エキシビジョン」(4月27日〜5月12日)では、美術作家・清河北斗氏による新たな親鸞聖人像「愚禿(ぐとく)」が誕生しました。この像は親鸞聖人像マップとは別の企画として生まれたものですが、全国の像を調べていた住職と、同時期に親鸞聖人への関心を深めていた清河北斗氏とのご縁が重なり、制作へとつながりました。会期中には1,200名を超える来場者が訪れ、多くの関心が寄せられました。

2025 NHK教育「こころの時代」に愚禿像の映像が採用

NHK教育「こころの時代~宗教・人生~」の山折哲雄さんを特集する番組において、愚禿像の映像を使用したいという連絡もサプライズな出来事でした。取材はワンシーンのために東京よりプロデューサーを含む3名がお越しになり、お蔵での撮影が行われました。番組では、親鸞聖人の愚禿述懐和讃の朗読と重ねて放送されるとても印象的なシーンに使用していただき、ありがたいご縁でした。

2025 愚禿像の販売

愚禿像の原型は油粘土で制作されているため、長期の展示には適しておらず、FRP(樹脂)による複製像の制作に至りました。完成した複製は、原型と遜色のない仕上がりとなったことから、希望される寺院等に向けての限定販売を行っています(2025年4月1日より販売開始)。

2025 カフェ愚禿

さらに同年4月3日には、この像をシンボルとして据えた寺カフェ「愚禿 – gutoku –」をオープンしました。日常の中で、そっと親鸞聖人のまなざしに出会える場所となっています。

今後はここを起点に、新たなご縁が育まれていくことを楽しみにしています。

花まつりマルシェ2025アルバム

4月20日(日)、善巧寺にて「花まつりマルシェ」を開催いたしました。
当日は雨の予報もありましたが、幸い開催時間中は天候に恵まれ、暑すぎず寒すぎず、過ごしやすい気候の中での開催となりました。

本堂では、初参式と七五三のお祝いの儀礼を執り行い、11名の受式者をお迎えしました。ご家族とともに仏前でのご縁を結び、温かなひとときとなりました。

境内と会館には、飲食・物販あわせて9店舗が出店。初参加の「謳うてっぱん」さん(お好み焼き)、「サエキコーヒー」さん、「紅屋」さん(委託販売)を含め、多彩なラインナップで賑わいました。

恒例の「お花シャワー」や「チュリ山を探せ」ゲームも多くのお子さまに楽しんでいただき、会館2階のプレイルームも終日活用されるなど、境内に子どもたちの笑顔が広がる一日となりました。

ご来場いただいた皆さま、ご協力くださった出店者の皆さま、誠にありがとうございました。

何者でもない

NHK「こころの時代」特集「こう生きた どう生きる 山折哲雄 現在を問う」にて、善巧寺の親鸞聖人像(清河北斗氏作)が紹介されました。昨年十一月、ほんの一場面の映像を撮影するために東京から三名のスタッフが富山まで足を運ばれ、強い熱意を感じました。

番組冒頭では、宗教学者・山折哲雄さんが心を揺さぶられた言葉として、服部之総著『親鸞ノート』の「呪われたる宗門の子」が紹介されました。宗教的理想と現実のはざまで葛藤する人間の姿に、山折さんは自身の人生を重ね、親鸞聖人の生き方に深く共鳴している様子が伝わってきました。

聖人像とともに放送されたのは、親鸞聖人の和讃「愚禿悲嘆述懐」の一節です。

浄土真宗に帰すれども
真実の心はありがたし
虚仮不実のわが身にて
清浄の心もさらになし

浄土の真実の教えに帰依したが、この私にまことの心などない。嘘や偽りばかりの我が身で、清らかな心などありはしない。そんな厳しい自己認識が語られています。これはただの自己否定ではなく、そんな自分をまるごと引き受けて救おうとする阿弥陀如来の願いに照らされた時にこそ起きる、深い気づきといえるでしょう。

非僧非俗の説明では、「僧侶でも俗人でもない。自分は何者でもない」とナレーションが語り、「自分は何者でもない」という受けとめ方は、山折さん自身の言葉によるものでした。阿弥陀如来の大いなる願いの前で、何者でもなかった自分自身に安堵している姿が、とても印象的でした。

雪山俊隆(寺報193号より)

> 住職コラム
> 寺報PDF

カフェ愚禿 -gutoku- ☕

営業日・時間

📅 営業日
木曜、金曜、土曜
※お寺の行事と重なると臨時休業になりますので、Instagramでご確認ください。
▶︎ 今週の営業日をInstagramで確認する
営業時間 13:00~17:00
🚗 駐車:善巧寺の敷地内、カフェ愚禿の前へどうぞ。

はじまり

2025年4月3日より、善巧寺では「カフェ愚禿(ぐとく)」を開設する運びとなりました。このカフェは、1990(平成2)年に建立された会館を活用し、どなたでも気軽にお立ち寄りいただける憩いの場として開かれます。


店名の「愚禿(ぐとく)」は、親鸞聖人が自らを「愚禿」と称されたことに由来し、2024年に開催した展覧会と同名を使用しています。その際のメイン作品であった親鸞聖人像(清河北斗作)が、入口で皆さまをお迎えいたします。

ここでは、読書・写経を楽しむなど、静かな時間を過ごしたいお一人さまから、親子でのんびりしたい方、旅行の合間にひと息つきたい方まで、どなたでも歓迎です。本堂は自由に参拝いただけますので、お茶の前後にお参りいただくことも可能です。

メニュー・カフェの様子

☕ドリンクメニュー

◆コーヒー[HOT/ICE](黒部・SAEKI COFFEE)
 (愚禿ブレンド:ブラジル、ブルンジ)
 →やわらかなコクと、ほんのり果実を思わせる後味
◆アイスカフェオレ
◆紅茶[HOT](朝日・HYGGE)
 (愚禿ブレンド:あさひ紅茶、魚津りんご、シナモン)
 → すっきりとした紅茶に、ほんのり甘いりんごとシナモンの香り
◆ハーブティ[HOT](朝日・HYGGE)
 (愚禿ブレンド:リンデン、ホーリーバジル、エルダー、マロウブルー、ローズH)
 → ふんわり優しい花の香りと、リラックスできるハーブの組み合わせ
◆クラフトコーラ[ICE](黒部・mebunryo-kichen)
◆クリームソーダ[ICE]
◆青森県産りんごジュース[ICE]
◆甘茶[HOT]
 →釈迦誕生の伝説にちなんだ、自然な甘さのお茶

🍩おやつメニュー

◆おすそわけお菓子(月替り)
 →お寺への頂き物をシェアするささやかな循環
◆昔ながらのドーナツ
 →老舗店「紅屋」のドーナツ(アイス付)
◆無常のホトケーキ
 →ホットケーキならぬホトケーキ
◆愚禿ぜんざい(夏は冷やしぜんざい)
 →お供えのお餅を焼いてぜんざいへ
◆カキ氷 いちごミルク
◆カキ氷 宇治金時

🖌カジュアル写経


-お茶を飲みながら愚禿の心に触れるひととき-
◆お試しコース(約3分)愚禿悲歎述懐和讃1種
◆ミドルコース(約25分)和讃8種
◆ロングコース(約50分)和讃16種
◆ストロングコース(約3時間)正信念仏偈

1階 カフェ座席

お好きな席へどうぞ

2階 プレイルーム

絵本、お絵かき、自習、カードゲーム、ピンポンなどご自由にお過ごしください。

見どころと設備

1000冊の蔵書


-ご自由にお手にお取りください-
親鸞聖人関連の書籍|仏教関連の書籍、マンガ|アート関連の書籍|富山県、民藝に関する書籍|絵本など

グッズ


合掌動物人形|天井画写真集|ご朱印ポストカード|錫の紐|仏像シールなど

本堂自由参拝


現在の本堂は1881年(明治14)に建立。内陣天井画(清河恵美作)は2012(平成24)年に完成。その他の見どころは、こちら(案内図)をご覧ください。

フリー

お水|WiFi|電源(テレワーク可)|撮影可

Cafe愚禿は、食品衛生法に基づく営業許可を取得し保健所の検査を経て営業しています。店内に許可証を掲示しておりますので、どうぞ安心してゆったりとした時間をお過ごしください☕

メディア

花まつりマルシェ 2025

2025年の「花まつりマルシェ」は4月20日(日)に開催します✨
お釈迦さまの誕生をご縁に、境内いっぱいに飾り付けられたチューリップの中で、魅力的なお店が並びます。本堂では、赤ちゃんの誕生を祝う「初参式(しょさんしき)」と子供の成長を祝う「七五三」が行われます。どなたもご参加心りお待ちしております。

花まつりの流れ

前日19日(土)
9:00~ 花かざり
当日20日(日)
10:00 初参式、七五三
10:40 マルシェスタート
14:00 お花シャワー、終了予定

マルシェ出店紹介(10:40~14:00)

※現在決定している出店者をご紹介します✨ 今後、追加や変更の可能性もありますのでお楽しみに!

ノムノム
富山と韓国の食材を活かした本格韓国料理店。キンパやヤンニョムチキンなどを提供予定です。
>> Instagram

Ume Kitchen
ドッグパン屋。ソーセージやベーコン、いちごやあんこまで、いろんなメニューがあります。
>> Instagram

リーフ
黒部のキッチンカー。アイスクリーム、クリームソーダ、 コーヒーゼリー、 ポテト&チキンなど。
>> Instagram

謳うてっぱん
県産の無農薬自然栽培された米粉で作る身体に優しいお好み焼き。じっくり時間をかけてふわとろに焼き上げます。
>> Instagram

源七
郷土料理”芋かいもち”を現代の暮らしに合わせて再編集。新感覚の「もちもなか専門店」
>> Instagram

ミユク
名水の里、黒部の地場産フルーツや地粉など使用して作った体に心に優しいケーキやお菓子を作っています
>> Instagram

サエキコーヒー
冬のスポーツの代名詞、スキーをバックボーンに持つ店主が始めた自家焙煎コーヒーのお店。
>> Instagram

紅屋(委託販売)
黒部市三日市の老舗ドーナツ屋さん。赤あん、白あん、りんぐの3種類をセットで販売します。
>> Instagram

gleetec
照明雑貨やフラワーベース、器etc.インテリアが楽しくなるアイテムをセレクト。
>> Instagram

プレイルーム(会館2F)

ラクガキコーナー、バーチャルお花シャワー、各種カードゲームなど、自由にご利用ください。

チューリップシャワー(14:00)

初参式(しょさんしき)

~赤ちゃんの誕生を仏前に祝う儀礼~
新たな命の誕生をよろこび、初めて仏さまにごあいさつをさせていただく大切な儀礼です。一生の記念にどうぞご参加ください。
時間:10:00(受付9:30)
対象:生後100日~2才頃まで
※お申し込みは終了しました。

七五三

~こどもの成長を仏前に祝う儀礼~
新たな命の誕生をよろこび、初めて仏さまにごあいさつをさせていただく大切な儀礼です。一生の記念にどうぞご参加ください。
時間:10:00(受付9:30)
対象:3才、5才、7才
※お申し込みは終了しました。

【注意事項】
・駐車は「うらやま交流センター」へお停め下さい。