寺報・カフェ愚禿

善巧寺の門徒会館は、平成二年の建立から今年で三十五年になります。。近年は老朽化が目立つようになり、外壁や屋上の防水工事を終えたところです。

平成二年の寺報には、祖父俊之が次のように記しています。

今度の会館には、まず、善巧寺サロンがあります。誰でも何時でも気軽に入って話し合える場所です。老人は目の前に迫る死について、壮年層は世界の環境破壊の現状について、婦人層は世代間の断絶や家庭崩壊の恐れについて、話し合うのも結構でしょう。次に善巧寺ライブラリー、図書館です。本は読まれるためにあるもの。経蔵の奥に眠っていた仏書を、皆様の手の届くところへ持ってきます。最後に善巧寺ホール。ここは十分なスペースをとって、お寺座、雪ん子劇団、門徒全体を収容できる食堂など、多目的なホールの役割を果たします。

この「食堂」は、法事後のお斎の場として想定されていましたが、二階に料理を運ぶ手間や、お寺での会食自体が減少したこともあり、活用には至りませんでした。

こうした経緯をふまえ、今年四月よりスタートした「カフェ愚禿」では、「善巧寺サロン」と「ライブラリー」の構想を受け継ぎ整えました。お寺は人々が集いお茶を飲み語り合う場―つまり、喫茶やカフェのような要素が古来よりあります。その在り方を現代のかたちで再定義し、どなたでも立ち寄れる場所として開いたのが、今回の週末カフェです。どうぞお気軽にお立ち寄りください。

雪山俊隆(寺報194号より)

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親鸞聖人像を追いかけていたら、像が生まれて、カフェになりました。

2022 親鸞聖人像マップ

2022年11月より、全国に設置された屋外の親鸞聖人像を記録・共有する「親鸞聖人像マップ」の制作を始めました。Googleマップ上での情報収集を中心に、各地の像の姿や背景を調べるなかで、浄土真宗が地域に根づくさまざまなかたちと出会うこととなりました。

中でも、山口県荘厳寺では、彫刻家でもある前住職が自ら親鸞聖人像を手掛けておられ、その経緯や背景を直接うかがうことができました。その際、1体の像を善巧寺へ寄贈してくださるというありがたいお申し出をいただき、マップ制作にも積極的に関わってくれていた息子とふたりで、山口県まで車で往復1790㎞を走ったことが心に残っています。

2023 各種メディアに掲載

この取り組みは、2023年9月には登録像数2,000体を超え、2024年9月には3,000体に達しました。その過程で、「北日本新聞」をはじめ、フリーペーパー『浄土真宗 唯』、仏教誌『茉莉花』、『築地本願寺新報』、『月刊住職』、『中外日報』などに紹介されました。

2024 フォトコンテスト

その後も、親鸞聖人像をめぐる新たな取り組みが続いています。2024年9月には卓上カレンダーを制作。さらに、同年11月から2025年1月にかけて開催したフォトコンテストでは、高岡銅器の企業や仏具店のご協賛をいただき、豪華な審査員方を迎え、初の試みながら579点もの写真が全国から寄せられました。それぞれの像を見つめる新鮮なまなざしに多くの気づきをもらう機会となりました。

2024 展覧会「愚禿」

2023年と2024年は、親鸞聖人のご生誕850年、そして浄土真宗の開宗800年という節目の年――メモリアルイヤーでもありました。

そのような時期にあたる2024年春、善巧寺で開催した展覧会「オテラ・ザ・エキシビジョン」(4月27日〜5月12日)では、美術作家・清河北斗氏による新たな親鸞聖人像「愚禿(ぐとく)」が誕生しました。この像は親鸞聖人像マップとは別の企画として生まれたものですが、全国の像を調べていた住職と、同時期に親鸞聖人への関心を深めていた清河北斗氏とのご縁が重なり、制作へとつながりました。会期中には1,200名を超える来場者が訪れ、多くの関心が寄せられました。

2025 NHK教育「こころの時代」に愚禿像の映像が採用

NHK教育「こころの時代~宗教・人生~」の山折哲雄さんを特集する番組において、愚禿像の映像を使用したいという連絡もサプライズな出来事でした。取材はワンシーンのために東京よりプロデューサーを含む3名がお越しになり、お蔵での撮影が行われました。番組では、親鸞聖人の愚禿述懐和讃の朗読と重ねて放送されるとても印象的なシーンに使用していただき、ありがたいご縁でした。

2025 愚禿像の販売

愚禿像の原型は油粘土で制作されているため、長期の展示には適しておらず、FRP(樹脂)による複製像の制作に至りました。完成した複製は、原型と遜色のない仕上がりとなったことから、希望される寺院等に向けての限定販売を行っています(2025年4月1日より販売開始)。

2025 カフェ愚禿

さらに同年4月3日には、この像をシンボルとして据えた寺カフェ「愚禿 – gutoku –」をオープンしました。日常の中で、そっと親鸞聖人のまなざしに出会える場所となっています。

今後はここを起点に、新たなご縁が育まれていくことを楽しみにしています。

花まつりマルシェ2025アルバム

4月20日(日)、善巧寺にて「花まつりマルシェ」を開催いたしました。
当日は雨の予報もありましたが、幸い開催時間中は天候に恵まれ、暑すぎず寒すぎず、過ごしやすい気候の中での開催となりました。

本堂では、初参式と七五三のお祝いの儀礼を執り行い、11名の受式者をお迎えしました。ご家族とともに仏前でのご縁を結び、温かなひとときとなりました。

境内と会館には、飲食・物販あわせて9店舗が出店。初参加の「謳うてっぱん」さん(お好み焼き)、「サエキコーヒー」さん、「紅屋」さん(委託販売)を含め、多彩なラインナップで賑わいました。

恒例の「お花シャワー」や「チュリ山を探せ」ゲームも多くのお子さまに楽しんでいただき、会館2階のプレイルームも終日活用されるなど、境内に子どもたちの笑顔が広がる一日となりました。

ご来場いただいた皆さま、ご協力くださった出店者の皆さま、誠にありがとうございました。

何者でもない

NHK「こころの時代」特集「こう生きた どう生きる 山折哲雄 現在を問う」にて、善巧寺の親鸞聖人像(清河北斗氏作)が紹介されました。昨年十一月、ほんの一場面の映像を撮影するために東京から三名のスタッフが富山まで足を運ばれ、強い熱意を感じました。

番組冒頭では、宗教学者・山折哲雄さんが心を揺さぶられた言葉として、服部之総著『親鸞ノート』の「呪われたる宗門の子」が紹介されました。宗教的理想と現実のはざまで葛藤する人間の姿に、山折さんは自身の人生を重ね、親鸞聖人の生き方に深く共鳴している様子が伝わってきました。

聖人像とともに放送されたのは、親鸞聖人の和讃「愚禿悲嘆述懐」の一節です。

浄土真宗に帰すれども
真実の心はありがたし
虚仮不実のわが身にて
清浄の心もさらになし

浄土の真実の教えに帰依したが、この私にまことの心などない。嘘や偽りばかりの我が身で、清らかな心などありはしない。そんな厳しい自己認識が語られています。これはただの自己否定ではなく、そんな自分をまるごと引き受けて救おうとする阿弥陀如来の願いに照らされた時にこそ起きる、深い気づきといえるでしょう。

非僧非俗の説明では、「僧侶でも俗人でもない。自分は何者でもない」とナレーションが語り、「自分は何者でもない」という受けとめ方は、山折さん自身の言葉によるものでした。阿弥陀如来の大いなる願いの前で、何者でもなかった自分自身に安堵している姿が、とても印象的でした。

雪山俊隆(寺報193号より)

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カフェ愚禿 -gutoku- ☕

営業日・時間

📅 営業日
木曜、金曜、土曜(1~3月は金曜・土曜)
※お寺の行事と重なると臨時休業になりますので、Instagramでご確認ください。
▶︎ 今週の営業日をInstagramで確認する
営業時間 13:00~17:00
🚗 駐車:善巧寺の敷地内、カフェ愚禿の前へどうぞ。本堂裏にも駐車場あります。

はじまり

2025年4月3日より、善巧寺では「カフェ愚禿(ぐとく)」を開設する運びとなりました。このカフェは、1990(平成2)年に建立された会館を活用し、どなたでも気軽にお立ち寄りいただける憩いの場として開かれます。


店名の「愚禿(ぐとく)」は、親鸞聖人が自らを「愚禿」と称されたことに由来し、2024年に開催した展覧会と同名を使用しています。その際のメイン作品であった親鸞聖人像(清河北斗作)が、入口で皆さまをお迎えいたします。

ここでは、読書・写経を楽しむなど、静かな時間を過ごしたいお一人さまから、親子でのんびりしたい方、旅行の合間にひと息つきたい方まで、どなたでも歓迎です。本堂は自由に参拝いただけますので、お茶の前後にお参りいただくことも可能です。

メニュー・カフェの様子

☕ドリンクメニュー

◆コーヒー[HOT/ICE](黒部・SAEKI COFFEE)
 (愚禿ブレンド:ブラジル、ブルンジ)
 →やわらかなコクと、果実を思わせる後味
◆カフェオレ[HOT/ICE]
◆紅茶[HOT](朝日・HYGGE)
 (ブレンド:朝日紅茶、魚津林檎、シナモン)
 → すっきりとした紅茶に、ほんのり甘いりんごとシナモンの香り
◆ハーブティ[HOT](朝日・HYGGE)
 (ブレンド:リンデン、ホーリーバジル、エルダー、マロウブルー、ローズH)
 → ふんわり優しい花の香りと、リラックスできるハーブの組み合わせ
◆抹茶ミルク
 →抹茶のほろ苦さをミルクで包んだやさしい味
◆チャイ
 →スパイスのきいたインドのミルクティ
◆クラフトコーラ[ICE](mebunryo-kichen)
◆クリームソーダ[ICE](春~秋)
◆青森県産りんごジュース[ICE]
◆甘茶[HOT]
 →釈迦誕生の伝説にちなんだ自然な甘さのお茶

🍩おやつメニュー

◆昔ながらのドーナツ
 →老舗店「紅屋」のドーナツ(アイス付)
◆無常のホトケーキ
 →ホットケーキならぬホトケーキ
◆愚禿ぜんざい(夏は冷やしぜんざい)
 →お供えのお餅を焼いてぜんざいへ
◆なもち(3色焼きもち)
 →お供えのお餅を醤油、あんバター、黒みつきなこでどうぞ
◆おすそわけお菓子
 →お寺への頂き物をシェアするささやかな循環

🕊️季節限定メニュー

<秋~冬>
◆焼きぎんなん -イチョウの物語添え-
 →善巧寺のイチョウで秋の味わい

<夏>
◆カキ氷 いちごミルク
◆カキ氷 宇治金時

🖌カジュアル写経


-お茶を飲みながら愚禿の心に触れるひととき-
◆お試しコース(約3分)愚禿悲歎述懐和讃1種
◆ミドルコース(約20分)和讃8種
◆ロングコース(約40分)和讃16種
◆ストロングコース(約2時間半)正信念仏偈

1階 カフェ座席

お好きな席へどうぞ

2階 プレイルーム(事前予約制)

絵本、お絵かき、自習、カードゲーム、ピンポンなどご自由にお過ごしください。

見どころと設備

1000冊の蔵書


-ご自由にお手にお取りください-
親鸞聖人関連の書籍|仏教関連の書籍、マンガ|アート関連の書籍|富山県、民藝に関する書籍|絵本など

グッズ


合掌動物人形|天井画写真集|ご朱印ポストカード|錫の紐|仏像シールなど

本堂自由参拝


現在の本堂は1881年(明治14)に建立。内陣天井画(清河恵美作)は2012(平成24)年に完成。その他の見どころは、こちら(案内図)をご覧ください。

フリー

お水|WiFi|電源(テレワーク可)|撮影可

Cafe愚禿は、食品衛生法に基づく営業許可を取得し保健所の検査を経て営業しています。店内に許可証を掲示しておりますので、どうぞ安心してゆったりとした時間をお過ごしください☕

メディア

花まつりマルシェ 2025

2025年の「花まつりマルシェ」は4月20日(日)に開催します✨
お釈迦さまの誕生をご縁に、境内いっぱいに飾り付けられたチューリップの中で、魅力的なお店が並びます。本堂では、赤ちゃんの誕生を祝う「初参式(しょさんしき)」と子供の成長を祝う「七五三」が行われます。どなたもご参加心りお待ちしております。

花まつりの流れ

前日19日(土)
9:00~ 花かざり
当日20日(日)
10:00 初参式、七五三
10:40 マルシェスタート
14:00 お花シャワー、終了予定

マルシェ出店紹介(10:40~14:00)

※現在決定している出店者をご紹介します✨ 今後、追加や変更の可能性もありますのでお楽しみに!

ノムノム
富山と韓国の食材を活かした本格韓国料理店。キンパやヤンニョムチキンなどを提供予定です。
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Ume Kitchen
ドッグパン屋。ソーセージやベーコン、いちごやあんこまで、いろんなメニューがあります。
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リーフ
黒部のキッチンカー。アイスクリーム、クリームソーダ、 コーヒーゼリー、 ポテト&チキンなど。
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謳うてっぱん
県産の無農薬自然栽培された米粉で作る身体に優しいお好み焼き。じっくり時間をかけてふわとろに焼き上げます。
>> Instagram

源七
郷土料理”芋かいもち”を現代の暮らしに合わせて再編集。新感覚の「もちもなか専門店」
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ミユク
名水の里、黒部の地場産フルーツや地粉など使用して作った体に心に優しいケーキやお菓子を作っています
>> Instagram

サエキコーヒー
冬のスポーツの代名詞、スキーをバックボーンに持つ店主が始めた自家焙煎コーヒーのお店。
>> Instagram

紅屋(委託販売)
黒部市三日市の老舗ドーナツ屋さん。赤あん、白あん、りんぐの3種類をセットで販売します。
>> Instagram

gleetec
照明雑貨やフラワーベース、器etc.インテリアが楽しくなるアイテムをセレクト。
>> Instagram

プレイルーム(会館2F)

ラクガキコーナー、バーチャルお花シャワー、各種カードゲームなど、自由にご利用ください。

チューリップシャワー(14:00)

初参式(しょさんしき)

~赤ちゃんの誕生を仏前に祝う儀礼~
新たな命の誕生をよろこび、初めて仏さまにごあいさつをさせていただく大切な儀礼です。一生の記念にどうぞご参加ください。
時間:10:00(受付9:30)
対象:生後100日~2才頃まで
※お申し込みは終了しました。

七五三

~こどもの成長を仏前に祝う儀礼~
新たな命の誕生をよろこび、初めて仏さまにごあいさつをさせていただく大切な儀礼です。一生の記念にどうぞご参加ください。
時間:10:00(受付9:30)
対象:3才、5才、7才
※お申し込みは終了しました。

【注意事項】
・駐車は「うらやま交流センター」へお停め下さい。

親鸞聖人像-愚禿-

昨年春に開催した「オテラ・ザ・エキシビジョン」に出展された「愚禿-kutoku-」(清河北斗 作)は、油粘土で制作されていました。しかし、経年劣化の懸念から、FRP(樹脂)による複製を作成することとなりました。

原型から一部の細部が削ぎ落される可能性も想定していましたが、繊細な造形を忠実に再現した複製が完成。そこで、型の耐久が持つ限りの限定数で販売する運びとなりました。

本堂はもちろん、客間の床の間や洋室にも自然に溶け込む、令和の親鸞聖人像だと自負しております。ご関心のある方は、こちらのページをご覧ください。

こころの時代

NHK教育「こころの時代」の宗教学者・山折哲雄さんの特集「こう生きた どう生きる 山折哲雄 現在を問う」が放送されました。冒頭、山折さんが影響を受けた言葉として「親鸞ノート/服部之総著」から「呪われたる宗門の子」という一節を紹介されていました。現実と宗教的理想の狭間で揺れ動く心は、山折さんに深く響き、それは親鸞聖人の生き様もあらわしています。

番組の後半、善巧寺蔵の親鸞聖人像(清河北斗作)を使っていただきました。親鸞聖人の和讃「愚禿悲嘆述懐(ぐとくひたんじゅっかい)」と重ねて放送されています。せっかくのご縁ですので、ここにその和讃の原文と現代語訳を紹介します。

正像末和讃・愚禿悲歎述懐

浄土真宗に帰すれども
真実の心はありがたし
虚仮不実(こけふじつ)のわが身にて
清浄の心もさらになし

浄土の真実の教えに帰依しているけれども、このわたしがまことの心をもつことなどあり得ない。嘘いつわりばかりのわが身であり、清らかな心などあるはずもない。

外儀(げぎ)のすがたはひとごとに
賢善精進(けんぜんしょうじん)現ぜしむ
貪瞋邪偽(とんじんじゃぎ)おほきゆゑ
奸詐(かんさ)ももはし身にみてり

みなそれぞれ賢く善い行いに励んでいるかのように振る舞っているが、内心は貪りや怒り、いつわりばかりであり、その身には人を欺こうとする思いが満ちている。

悪性(あくしょう)さらにやめがたし
こころは蛇蝎(じゃかつ)のごとくなり
修善(しゅぜん)も雑毒(ぞうどく)なるゆゑに
虚仮(こけ)の行とぞなづけたる

悪い本性を抑えることなどできるはずもない。その心はまるで蛇やサソリのようであり、たとえ善い行いをしても、煩悩の毒がまじっている。だから、その行いはいつわりの行と呼ばれている。

無慚無愧(むざんむぎ)のこの身にて
まことのこころはなけれども
弥陀の回向(えこう)の御名(みな)なれば
功徳は十方(じっぽう)にみちたまふ

罪を恥じる心がないこの身には、まことの心などないけれども、阿弥陀仏があらゆるものに回向してくださる名号(みょうごう)であるから、その功徳はすべての世界に満ちわたっている。

小慈小悲(しょうじしょうひ)もなき身にて
有情利益(うじょうりやく)はおもふまじ
如来の願船いまさずは
苦海をいかでかわたるべき

わずかばかりの慈悲さえもたないこの身であり、あらゆるものを救うことなど思えるはずもない。阿弥陀仏の本願の船がなかったなら、苦しみに満ちた迷いの海をどうして渡ることができるであろう。

蛇蝎奸詐(じゃかつかんさ)のこころにて
自力修善(じりきしゅぜん)はかなふまじ
如来の回向をたのまでは
無慚無愧(むざんむぎ)にてはてぞせん

蛇やサソリのように毒のあるよこしまな心では、自力で善い行いを修めることなどできるはずもない。阿弥陀仏の回向を信じることがないなら、罪を恥じることもないまま命を終えてしまうであろう。

五濁増(ごじょくぞう)のしるしには
この世の道俗ことごとく
外儀(げぎ)は仏教のすがたにて
内心外道を帰敬せり

さまざまな濁りに満ちた時代の中で、この世の出家のものも在家のものもみな、仏教を信じるものであるかのように振る舞いながら、内にはそれ以外の教えを敬い信じている。

かなしきかなや道俗の
良時(りょうじ)・吉日(きちにち)えらばしめ
天神・地祇(じぎ)をあがめつつ
卜占祭祀(ぼくせんさいし)つとめとす

何と悲しいことであろう。出家のものも在家のものも、日の良し悪しを選び、天地の神々を崇めながら、占いや祈祷を日々のつとめとしている。

僧ぞ法師のその御名は
たふときこととききしかど
提婆五邪(だいばごじゃ)の法ににて
いやしきものになづけたり

僧や法師という呼び名は尊いものと聞いていたけれども、提婆達多(だいばだった)が示した五つのよこしまな教えと同じように、人々からさげすまれるものを僧や法師と呼ぶようになっている。

外道・梵士(ぼんじ)・尼乾志(にけんし)に
こころはかはらぬものとして
如来の法衣をつねにきて
一切鬼神をあがむめり

仏教以外のさまざまな教えを信じるものと同じ心をもって、釈尊と同じ袈裟を身にまといながら、あらゆる鬼神を崇めているようである。

かなしきかなやこのごろの
和国の道俗みなともに
仏教の威儀をもととして
天地の鬼神を尊敬す

何と悲しいことであろう。近頃の日本の出家のものや在家のものは、みな仏教を信じるものであるかのように振る舞いながら、天地の鬼神を尊び敬っている。

五濁邪悪(ごじょくじゃあく)のしるしには
僧ぞ法師といふ御名を
奴婢(ぬひ)・僕使(ぼくし)になづけてぞ
いやしきものとさだめたる

さまざまな濁りと悪に満ちた時代には、僧や法師という呼び名を召使いの名とし、さげすまれるものであるかのように決めつけている。

無戒名字(むかいみょうじ)の比丘(びく)なれど
末法濁世(まっぽうじょくせ)の世となりて
舎利弗(しゃりほつ)・目連(もくれん)にひとしくて
供養恭敬をすすめしむ

戒律をたもつことのできない名ばかりの僧であっても、さまざまな濁りに満ちた末法の世においては、舎利弗や目連と同じように、あつく敬い供養することを勧められている。

罪業(ざいごう)もとよりかたちなし
妄想顛倒(もうそうてんどう)のなせるなり

罪とはもとよりかたちのあるものではなく、誤ったものの見方からつくられるのである。心の本性とはもとより清らかなものであるが、この世にまことの心をもっている人などいない。

末法悪世(まっぽうあくせ)のかなしみは
南都北嶺(なんとほくれい)の仏法者の
輿(こし)かく僧達力者法師
高位をもてなす名としたり

末法という悪に満ちた世では、何とも悲しいことに、奈良や比叡山の僧たちが、輿をかつぐなどの力仕事をするものを僧や法師などと呼び、徳のあるものであるかのように扱っている。

仏法あなづるしるしには
比丘(びく)・比丘尼(びくに)を奴婢(ぬひ)として
法師・僧徒のたふとさも
僕従(ぼくじゅう)ものの名としたり

仏の教えを軽んじ侮ることにより、出家のものを見下し、徳のある法師や僧という呼び名を軽んじて、召使いの名としている。

以上十六首、これは愚禿がかなしみなげきにして述懐としたり。
この世の本寺本山のいみじき僧とまうすも法師とまうすもうきことなり。

以上、十六首 これは愚禿の悲歎の思いを述懐したものである。今の世で本寺・本山におられる高位の僧といっても、法師といっても、嘆かわしいばかりである。


NHK教育Ch(Eテレ)こころの時代〜宗教・人生〜
「こう生きた どう生きる 山折哲雄 現在を問う」
再放送 3月1日(土) 13:00〜14:00
※NHKプラスでもご覧になれます。
https://plus.nhk.jp/watch/st/e1_2025022312911

いつのまにやら

コロナ騒ぎになったのが四年前、ほっこり法座をはじめたのが六年前、本堂を修復したのが十二年前、お寺の音楽会を開催したのが十八年前、住職を継職したのが二十六年前、得度したのが三十四年前。

いつのまにやら子供も高校生と中学生になり、自分だけが時が止まっているような錯覚を起こします。これは七十才、八十才になったとしても同じような気持ちになるのかもしれません。

歌手の二階堂和美さんの曲に「いつのまにやら現在(いま)でした」という歌があります。

気づいたような気になって
案外それも的外れ
時は過ぎ 時は過ぎ
現在(いま)の私がありました 

お葬儀の折りに拝読している蓮如上人の「白骨の御文章」には、「この世の始中終、幻の如くなる一期なり」とあり、この世の始まりも途中も終わりも「幻のごとく」とお示しくださり、この世の儚さをこれでもかというほどに説かれています。そして最後に「阿弥陀仏を深くたのみまいらせて、念仏申すべきものなり」と締めくくられています。
 自分の人生がどのようであったとしても、ただ念仏ひとつが私の救いであったと多くの先人たちが口にしています。念仏ひとつとはどういうことなのか。私は何を求めどこに向かっているのか。私の救いとは何か。それを示してくださったのが親鸞聖人でした。そのみあとをしたい、報恩講をつとめます。

雪山俊隆(寺報191号より)

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夏の行事

こども盆おどり

善巧寺の夏のメイン行事は「こども盆おどり」です。
この行事は、昭和52年から始まった行事で、当時の壮年会(夢を語る会)が定例会中に、長老がその昔寺の境内で盆踊りをしていた話を聞き、復活したのが始まりです。村の盆踊りは毎年行われているため、善巧寺では子供に焦点を当てて、子供たちが踊る「こども盆おどり」として打ち出しました。

盆踊りの案内は住職親子で浦山全軒をポスティングし、うらやま保育園にも児童たちに配布してもらいました。盆踊りの準備で特に人手が必要なのはちょうちん吊りです。本堂内のちょうちんは先に用意しておき、メインの境内ちょうちんは力を貸してくれると言ってくれた高校生たちの予定に合わせて2日前に行いました。

小学生もたくさん参加してくれて、ちょうちん吊りのあとはバーベキューを楽しみました。

当日は18:30より本堂でのおつとめから始まります。

おつとめの後はお寺クイズで仏さまの話に触れてもらい、そのまま本堂の中で1回踊りの練習をしました。2回目は外へ出て本番です。

縁日は、ボール投げ、輪投げ、ヨーヨー、やきそば、ポップコーン、わたがし、カキ氷、ドリンクコーナーの8店でした。

8時頃に2回目の踊りがはじまりました。

今年も中高生たちが協力してくれて、遠方からの助っ人も加わり大いに盛り上げてくれました。お祭りごとは準備期間を合わせて1ヵ月ほどの大きな労力がかかりますが、参加者の笑顔でその疲れを吹き飛ばしてくれます。

お盆参り、納骨壇追悼法要

8月16日はお盆参りです。今年1年に葬儀のあったご家庭の初盆と、納骨壇へお入りの方の追悼法要を行いました。

お寺で怪談 by 黒西組

昨年から黒部市と魚津市の浄土真宗本願寺派の寺院グループ「黒西組(こくせいそ)」で夏のイベントを開催しています。今年は荻生の称名寺で「お寺で怪談」を開催しました。称名寺は広い駐車場、広い境内、冷暖房完備の本堂など県内でも屈指の環境が整ったお寺です。今年は特に暑かったので本堂の冷房はお客さんにとってとても快適だったと思います。複数の寺院が協力して行われる行事はスタッフも充実していて、今年はご婦人方や中高生までがスタッフで参加しました。このイベントで特に驚かされたのは、お寺、怪談、夏というのがよほど相性がよいのか、開催日の10日前にはチケットが完売する人気ぶりです。当日は近くの保育園から縁日に遊びに来る親子も多数おられ、総勢200名を超える人で賑わいました。