親鸞聖人は他力真宗の教えを横超のおしえとしめされました。横超とは、阿弥陀如来の本願力によって横ざまに生死の大海を超え、すみやかに浄土のさとりへいたるというみ教えです。
城端町出身の横道善蔵さんは、ながく大阪や西宮で浴場を営む有難い念仏者でした。ある時、「あんたの名前は横道という変な名前ですな。でも仏法に遇えて人生の横道にはいらずよかったですね」というと、
わたしの横道はそんなつまらぬ名前ではない。横超の直道をあらわす尊い名前じゃ。ついでにいうが善蔵の名も善をつめば金の蔵がたったという俗っぽい意味ではないぞ。私のいのちは、如来さまからいただいた南無阿弥陀仏の善根功徳がおさまって(蔵)いるという意味じゃ。
教行信証をくりかえし読まれた人だけって味わいがふるっています。
スイスのブゾンサンさんは仏蔵を彫刻する真宗僧侶です。彼はいう。
フランス革命以後、ヨーロッパではだんだん宗教が弱まっていって、現在の若い人は、どこに自分の思想、自分の精神の依りどころを探してよいか模索している状態なんです。
私もそんな状態の中でいろんな宗教を見て今のヨーロッパに一番適した宗教として見出したのが浄土真宗です。今のヨーロッパ全体がその状態に適した教義を「横超」の中に見出すことができます。
二十一世紀は親鸞聖人のみ教えがヨーロッパにひろまる気配がたしかに感じられます。本家の日本人私どもこそ一層誇りを持って聞法につとめ味わいをふかめたく思います。
(寺報94号)
・空華忌に思う/利井明弘(寺報69号)
・ご意見承りましょう/利井明弘(寺報70号)
・御文章について/梯實圓(寺報71号)
・永代祠堂経―前を訪へ―/高務哲量(寺報72号)
・報恩講をむかえて/利井明弘(寺報73号)
・「いのち」の風光/梯實圓(寺報74号)
・ある救援活動/利井明弘(寺報75号)
・無量光―共にかがやく―/天岸浄圓(寺報76号)
・おそだて/高田慈昭(寺報77号)
・恩に報いる/三嵜霊証(寺報78号)
・拝啓 寺報善巧様/大江一亨(寺報79号)
・雪山隆弘師と明教院僧鎔師/若林眞人(寺報80号)
・俊之さんの思い出/龍嶋祐信(寺報81号)
・往還回向由他力/那須野浄英(寺報82号)
・一人か二人か/梯實圓(寺報83号)
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・住持/高田慈昭(寺報85号)
・あなたの往生は間違いないか/利井明弘(寺報86号)
・かがやき/山本攝(寺報88号)
・無量寿のいのち/藤沢信照(寺報89号)
・仏法を主(あるじ)とする/梯實圓(寺報90号)
・生死出づべき道/高田慈昭(寺報91号)
・生死の帰依処/騰瑞夢(寺報92号)
・香積寺のことなど/山本攝(寺報93号)
・横超のおしえ/高田慈昭(寺報94号)
・永遠のとき/高務哲量(寺報95号)
・必ず煩悩の氷とけ/藤沢信照(寺報96号)
・報恩講/若林眞人(寺報97号)
・非常の言/高田慈昭(寺報98号)
・不自由ということ 不幸ということ/高務哲量(寺報99号)
・お念仏の世界観/高田慈昭(寺報101号)
・篤く三宝を敬え/天岸浄圓(寺報102号)
・抜けるような青空のもと/山本攝叡(寺報103号)
・善巧方便/騰瑞夢(寺報104号)
・洗面器の底のさくらの絵/森正隆(寺報105号)
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・こわいはなし/宗崎秀一(寺報108号)
・報恩講について/梯實圓(寺報109号)
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・いずれの行もおよびがたし/藤沢信照(113号)
・生死いずべき道/服部法樹(寺報114号)
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